10年前に亡くなってしまった、ダディのお父さん(オーストラリア人)は、今から60年前、進駐軍として広島を何度も訪れていました。マミーがオーストラリアでダディのお父さんに始めて会ったとき、マミーが広島出身だと知ると、びっくりしていました。そして、現代の広島の街の写真を見せたら、とても喜んでくれました。
ダディのお父さんが亡くなった直後、ダディは、広島国際会議場の中の図書館で戦後の広島という写真集をめくっていました。お父さんが見た広島を写真集で確かめたかったのです。そして、何の偶然か、奇跡か、写真集の中にお父さんの姿を発見したのです。
古い写真ではあるけれど、それは確かにダディにそっくりな、正真正銘、フランク・フォーサイスの姿です。
腕を組んで、お菓子をもらう子供を見ているのが、ダディのお父さんです。
このとき、ダディのお父さんは20歳でした。将来、自分の息子がこの地、広島に住むようになるだなんて夢にも思わなかったでしょうね。